トコ トコ トザン(信州松本登山ガイド)

残雪の梨平峠(関田山脈)

梨平峠(なしだいらとうげ)は長野県飯山市と新潟県上越市の県境にある関田(せきだ)山脈にある標高1100mの峠。関田山脈の斑尾山(まだらおやま)~牧峠(まきとうげ)間~天水山(あまみずやま)までの80kmにおよぶ尾根道は信越トレイルと呼ばれています。(2008年4月現在は牧峠まで(50km)が整備されています。)ブナの森が広がる関田山脈には、16もの峠道があります。かつては信濃と越後を結ぶ交易の道として、越後からは塩や海産物が、信濃からは内山和紙や菜種油が運ばれました。

松本からのアクセス方法

車:高速長野道松本インターから乗り、豊田飯山I.C.で自動車道を降りて右折すると国道117号線(飯山バイパス)になります。千曲川に沿って北に進み、戸狩(とがり)温泉スキー場方面に向かいます。県道95号線に出たら後は道なりに登って行くと途中に「みゆきのライン」の看板があるので案内に従い右折します。トンネル(天井は隙間があり明るい)を抜けたところが登り口。

公共交通機関:電車では、JR松本駅から中央線でJR長野駅まで行き、長野駅で飯山線に乗り換えてJR戸狩野沢温泉駅(とがりのざわおんせんえき)下車。ここから登山口まではタクシーがおすすめ。→タクシー運賃情報
松本から長野までの高速バスもあります。→松本電鉄 長野松本線

「なべくら高原・森の家」のスノーシューツアーに参加

雪解けの時期は、スノーシューよりもかんじきのほうが歩きやすいようです。レンタルの方はかんじきを借りていました。登山未経験者から熟練者まで7人が参加しました。
9時30分集合、車で登り口まで移動しました。
羽広山~梨平峠(残雪期) 地図

羽広山~畑の中のブナ林 70分 休憩含む

9時50分ごろ羽広山のトンネル付近から出発。(標高約520m)
雪の重みに耐えきれず倒れている杉の木の間を歩いて行きます。雪が解けた場所からは杉の木に雄花が付いているのが見られました。この杉達は、倒れて死んでしまった訳ではありません。雪の重みが無くなれば立ち上がってくるそうです。立ち上がる時の幹にぶつからないように注意して歩きます。(午後3時ごろにここに戻ってきた時には、杉の木が立ち上がっていました。)歩き始めてから20分くらいはスノーシューを履かずに歩きました。
まだまだ残雪がたっぷりあるところからスノーシューを履きました。畑を突き抜けてたり、林の中を通ったり、比較的ゆるやかな上り坂でしたが春なので少し歩くだけで体が熱くなります。なるべく汗をかかないように上着を脱いだりしましたが、汗だくになってしまいました。春山は多めに飲み物を用意したほうがよさそうです。
畑を突き抜ける林を突き抜ける畑の中のブナ林畑の中のブナ林の脇を通過中畑の中のブナ林からの眺め
ガイドの佐藤さんの話では、畑の中のブナ林は樹齢150年くらいではないかということでした。ブナにしてみたら若手なのでしょうか。すんなり伸びた幹は銀色に輝き若者のようでした。

畑の中のブナ林~梨平峠 80分 休憩含む

まだしばらくは緩やかな坂ですが、30分ほど歩いた辺りから徐々に傾斜がきつくなってきます。空気の感じが変わりひんやりしてきます。雪の量も多くなり、ブナなどの木の幹の周りの穴が深くなっていました。木の周りの雪が溶けるのを「根開け」というらしいです。
徐々にきつくなる坂根開け
このあたりに生息しているウサギはコシアブラの枝から出た芽や枝もかじって食べているそうです。松本あたりのウサギだと、コシアブラの芽を食べたくてどんなにジャンプしても食べられないでしょう。雪深い所に住んでいるウサギは食べ物を探すのに大変でしょうが、おいしい山菜のコシアブラを食べられるとは!幸せなこともありますね。
峠手前の急な坂梨平峠が見えてくる手前の坂が傾斜としては一番きついかもしれませんが、距離は短いので、ここまで来るともうひと踏ん張りです。尾根に出て歩いていると、遠くから「ウィーン、ビュイーン」とけたたましい音が。その音はものすごい勢いで近づいてきます。そして私達が目にしたのは、林の中を駆け巡るスノーモービル2台。尾根に出た喜びもかき消されてしまうようなひどい音。早くどこかに消えて欲しいと切に感じました。森は静かであって欲しいものです。

梨平峠

鍋倉山梨平峠にたどり着いて昼食。時間は12時25分でした。
休憩をしている間に雲が薄くなり日が射してきました。雲の動くスピードも遅くなり、風もほとんどないくらいになりました。ポカポカです。
天気が良ければ日本海も見えるようですが、この日はそれほどまでに視界は良くありませんでした。
南には鍋倉山が見えます。写真中央の山が鍋倉山、右の小さな山は黒倉山。
峠はまだ3mくらい雪が積もっていました。平年よりやや少ないようです。

梨平峠~羽広山 100分 休憩含む

梨平峠からはお尻で滑り下ります。森の家では「ケツゾリ」と言っているようです。これを楽しみに来ていた人は、お米の入っていたビニールの袋をお尻の下に敷いて滑り降りていました。
私の番です。急斜面で全くコントロールが利かず、行きたくないほうに行ってしまいました。行きたくない方向を意識してしまったからでしょうか?ケツゾリが上手になるようにもう一度挑戦したいくらいでした。
ケツゾリで下るケツゾリと青空
関田山脈にはカモシカも住んでいて、新しい足跡もありましたが、カモシカを見ることはできませんでした。運が良ければ遭遇するらしいですよ。
鍋倉山眺めながら下る
  ↑中央の山は鍋倉山

登りの時には畑の中のブナ林の脇を歩いたのですが、下りでは林の中を歩きました。時々キツツキが木をつつく音が聞こえました。枯れた木にはキツツキが虫を捕るために開けた穴がいくつもありました。棲みかにする木は枯れてない木らしいです。
高社山コウシャサン     薄っすら見えるのは高社山→
善光寺平の北端にある標高約1351mの高社山(コウシャサン、高井富士タカイフジともいう)。新潟側からの風が通り抜けないため飯山盆地の夏を暑くしていると参加した人が言っていました。調べてみると、冬の気候もこの山が大きく影響していて、高社山の北側は日本海側の気候で雪が多く、南側の中野市などはそれほど雪は多くなく植生も違うとのことでした。

車道の脇には切り取られたように雪が残っているのですが、登る時に見た時よりも5センチほど低くなっているように感じました。この日も飯山の最高気温は17.8度(平年並み)でした。雪がどんどん溶けているため、登る時に寝ていた杉の木も起き上がり始めていました。雪国の植物は過酷な経験をして、たくましく春を迎えているのですね。

お薦めの温泉 「望の湯」

戸狩温泉「望の湯」は戸狩温泉スキー場のすぐ下にあります。内湯と露天風呂あり。
営業時間 PM4:30~PM10:00
  (スキーシーズンはAM10:00から)
  毎週火曜日休み(月、火曜日祭日のとき、水曜日休み)
料金 大人400円 小学生300円
住所 飯山市豊田7033-3
TEL 0269-65-2629

地域のことをよく知っているガイドの方がついてくれるツアーは、面白い話を聞くことができていいですよ。森の家ではいろんなツアーが企画されていますが、ガイドさんを頼むこともできます。詳しくは森の家にお問い合わせください。

なべくら高原・森の家
  長野県飯山市なべくら高原 柄山
  tel 0269-69-2888 

  【2008年4月20日 登山者・記事 アルプスちえみ】


残雪の梨平峠(関田山脈)” への2件のコメント

  1.   beautyさんより

    詳細、ご紹介いただきありがとうございます。
    多くの皆様に関田山脈に来ていただきたいと思います。
    信越トレイルクラブ会員

  2.   アルプスちえみさんより

    beautyさん、コメントありがとうございます。
    標高としてはそれほど高くない関田山脈ですが、豪雪地帯の飯山地方だけあって春でも雪山状態で大変楽しい山でした。真冬と違って凍えることはなく天気が良ければ山頂でゆっくりできるのも残雪期の利点ですよね。今は雪もすかっりなくなっていることでしょうが、来年も是非行きたいと思います。新緑の頃など最高でした。
    みなさ~ん、本当にお薦めですよ。【アルプスちえみ】

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