トコ トコ トザン(信州松本登山ガイド)

厳冬期、焼岳

夏のシーズンは登山道の距離も短めなので、比較的簡単に登ることが出来る
「焼岳」ですが、上高地が冬のシーズンは閉鎖されているので、厳冬期には
ほとんど入る人はいません・・・。 なので、今回はまたスキー滑走も兼ねて
冬場は入り易い岐阜県側から登りに行ってみました。
DSCF1212

松本市からのアクセス方法

松本市から新穂高温泉までのアクセスについては、「西穂高岳」のページをご覧ください。
岐阜県側の登山口は「中尾温泉」という所の林道終点から始まります。
新穂高温泉に向かう少し手前、トンネルを抜けたところに「中尾高原口」
という道路の分岐があり、そこから上がって行きます。林道終点までは
約5分です。
 
 

中尾温泉・焼岳登山口~焼岳山頂。(5~6時間)

DSCF1213中尾温泉の林道終点の登山口に車を止めて、朝7:00にスタートしました。
雪が1m以上も積もった林道を、スキーにシールを貼って登って行きます。
ここから見える「焼岳」の山頂は、遥か彼方!というぐらいに遠くに
感じました・・・。
 
 
DSCF1216少し登って行くと、いくつか堰堤が出て来ます。数か所を林道沿いに
登って行くと、最後の一か所は越えられない程の大きな堰堤になります。
ここを渡渉(川を渡る事)して、向こう側に伸びている林道をさらに
そのまま辿って登って行きました。
 
 
DSCF1225このルートの最初は、樹林帯の急斜面をシール登攀で登って行きます。
しかし、この日の雪質はとても軽くて良い感じだったのですが、なぜか
あまりシールが利かなくてツルツル滑るイヤな雪質で、とても登りにく
かったのでした・・・。

バックには、今回のターゲットである「焼岳」が光り輝いていました!
ここまで1時間ぐらい登って来ていますが、まだまだ遥か彼方に見えます。
でも、あの岩稜の頂きに立つのだっ!という思いで、モチベーションは
とても高かったです。
 
 
DSCF1236シール登攀でガシガシと登って行くと、2時間半ほどでやっと樹林帯を
抜けました! バックには、笠ヶ岳~抜戸岳の屏風状の山々が大迫力で
見えていました! 高度感も素晴しかったです。
  
  
DSCF1240樹林帯を抜けてさらに30分、ようやく山頂直下の岩場まで来れました。
この辺りから雪質が変わりアイスバーンのように硬くなってきたので
ここからはシール登攀を諦めて、足裏にアイゼンを装着して登ります。
さあ、焼岳の山頂はもうスグだ!!
 
  
IMGP2507スキーを担いでアイゼン登攀にしてからスグは、深い雪のラッセルを
強いられましたが、その後はかなり斜度もキツくなってきて、斜面は
硬いアイスバーン状になって行きました・・・。ピッケルやストックを
雪の斜面に差し込んで、一歩一歩確実に登って行きました。
  
  
DSCF1248しかし!・・・その後、いくつもの岩稜を越えても越えても、またその先に
岩稜が出現して来ました。これを越えたらもうスグ山頂か?!と思ったら、
さらにその先にさらに岩峰が出現してきます。そのたびに遠くなる山頂に
さすがの僕たちでも心が折れてしまいそうでした・・・。
  
  
DSCF1259それでも、ここまで4時間半程、ひたすら登り続けてきて、やっと!
本当の焼岳の山頂である外輪山が見えて来たのでした。たぶんこの
岩場を越えたら、やっと本当の山頂です。
   
   
DSCF1262最後の最後の岩場では、担いできたスキーなどの荷物をコルにデポして、
空身でアイゼン&ピッケルのフル装備で、焼岳南峰山頂へとアタック
して行ったのでした。
   
   
DSCF1265
そして、登山口をスタートしてから登攀しっぱなしで、5時間ジャストに
焼岳・南峰の外輪山山頂の一部に登頂したのでした!!
  
  
   

厳冬期、焼岳・山頂からの景色です。

IMGP2514コチラは、焼岳、南峰の火口です。雪に埋まっていてボウル状に見えます。
向こう側左に見える岩峰が、夏シーズンの登山の時に登る北峰山頂です。
  
  
IMGP2515焼岳・南峰から見える「穂高連峰」です。さすがにこの時期は雪で
真っ白です。遠くには槍ヶ岳まで見えました!

IMGP2516コチラは、西向きの岐阜県側の景色です。笠ヶ岳~抜戸岳の屏風状の
山々が大迫力で見えます。真ん中ちょっと左に少し尖っている笠ヶ岳の
遥か下にある集落が、今回スタートした中尾温泉集落です。あそこから
登ってきたと思うと、感慨深いです。
   
   

焼岳・山頂からスキー滑降~登山口(1時間半程)

DSCF1282焼岳・南峰のコルの一部から、スキー滑走のドロップ・インしました。
上部の広大な急斜面では、とても良い雪質で快適に滑れました!
滑って行くコースは、焼岳北面に伸びる「黒谷」に沿って滑りました。
   
   
IMGP2559雪に埋まった「黒谷」は、自然に出来たハーフパイプのような地形
でした。中盤から下部の斜面では、気温が上がったために雪質が
かなり重くなって滑るのに苦労しましたが、サイドからの雪崩に
注意しながら、なるべく早く通り抜けて行きました。
  
  
IMGP2578「焼岳・黒谷」は、下部に行けば行くほど谷が深くなっていくのでした。
楽しいスキー滑降も「アッ!」と言う間に終了に近くなり、振り返れば、
さっきまで立っていた焼岳山頂が、一瞬でもう遥か遠くに見えるほどに
滑って来ていたのでした。
  
この後は、一部露出していた滝と川を何とかトラバースして、一番最初に
渡渉した大きな堰堤を、左に巻いて滑ってクリアして、またスタート地点
である中尾温泉まで林道を滑って帰っていったのでした・・・。
  
  
   
かくして、今回も快晴のコンディションの中で、最高の冬山登山と
山スキーを「焼岳北面・黒谷」ルートで楽しむことが出来ました!
そして、これからもまだ行ったことが無い未踏のルートへ滑りに行き
たい!、新たな夢をまた実現に体験したい!、と強く思うのでした。
   
*今回の「厳冬期、焼岳」も、冬山登山と山スキーのエキスパートの方のみが出来るルートです。行動時間も雪の中で7時間以上と非常に厳しいですし、厳冬期の冬山登山の技術も必要です。もし、どうしても「厳冬期・焼岳」登山に行きたいと思われる方は、必ず山岳ガイドさんと一緒に行く事をオススメします。くれぐれも安全登山でよろしくお願いします。
   
   
【2014年3月12日、登山者・記事 ハタゴニアン】
   
   
   


厳冬期、焼岳” への4件のコメント

  1.   えむこさんより

    “光り輝く焼岳”。厳冬期の焼岳、山頂。写真を見るとまさに神の領域、別世界のようです。本格登山やスキーには縁がありませんが…。焼岳といえば上高地のシンボル、河童橋から観た焼岳を思い浮かべます。橋に立って上流を望めば穂高連峰が下流を見れば焼岳が望めます。梓川の風景とあいまって素晴らしい展望です。大自然・風景。季節によって色彩のニュアンスが微妙に変化する焼岳ならではの景観がとても好きです。
    新たな夢の実現に向かって挑戦してくさいね。

  2.   ハタゴニアンさんより

    えむこさん、ありがとうございます。北アルプスを有する松本市の、厳しくも美しい自然の景色を、これからも少しずつですがお伝えして行こうと思っています。よろしくお願いします。

  3.   bontaさんより

    この厳冬期に焼岳ですか。きっと冬山経験が豊富でスキーもプロ級の方なのでしょうね。ハタゴニアンさんは。
    焼岳は上高地、中の湯ルートともに雪のない時期に行った事はあります。頂上付近は何か硫黄の匂い、ジェット機
    のような騒音記憶しております。でもこの時期登頂感服いたしました。今後も素晴らしい画像と記事楽しみにしております。

  4.   ハタゴニアンさんより

    bonta さん、ありがとうございます~。僕はただ山とスキーが好きで登り続けているだけですが、そこそこ形にはなってきました。またこれからも松本市の宣伝も含めていろんな山に登った記事を書いて行きたいと思っています。これからもよろしくお願いします~!!

コメントをどうぞ

必須

必須※松本を盛り上げていくために、愛情をもって投稿してください。
※投稿いただいたコメントは、事務局でチェック後、掲載させていただきます。掲載までに少しお時間をいただくこともありますのでご了承ください。