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やまたみ登山学校 第11回机上講習「観天望気について」

2008年2月6日 投稿者: アルプスちえみ [ コメントはこちらから: »

観天望気を学ぶ第11回目の机上講習は観天望気(かんてんぼうき)について教えていただきました。
「観天望気」って知ってましたか?私は始めてこの言葉を知りました。自然現象をもとに天気を予測することなんですね。
自然現象から天気を予測することも大切な登山技術の一つ。感性と五感で天気を予測するのも山歩きの楽しみになるようです。さて、どんなものがあるのか学びましょう。

目に見える形で天気の変化を知らせてくれます。形や変化の様から情報を読み取りましょう。
1、悪天に向かうときの雲の変化
 雲が厚く、暗く、重い感じになって高度が下がっていく。
2、レンズ雲(笠雲)
 山を乗り越える時に生じた気流の上下動がそのまま波となって発生したレンズ型の雲で、天気が下り坂のときに見られる。

1、風上側は曇天、風下側は好天
 湿った空気が山を越える時、山の風上側は雲が発生しやすく、雨や雪が降る。風下側は下降気流のため雲やガスは消える。
2、山風と谷風
 日中は山麓から山頂に向かって風が吹く(谷風)。 夜間は山頂から山麓に向かって風が吹く(山風)。 天気が安定しているときはこのような現象が保たれるが、乱れている時は天気が変化する兆し。

気温

夜間が冷え込むと翌日は好天になる。夜間に雲がないときには放射冷却で気温が下がる。翌日は好天になりやすい。

視界

ものがはっきり見えると悪天。気圧の谷が接近すると大気が乱れて霞やモヤが分散するため下界や遠くのものがはっきり見える。

星の瞬きが激しいのは悪天。上空の風が強まったり、上空の空気の層に寒暖の境ができると星の光が屈折していつもより激しく瞬いて見える。

遠くの音が聞こえたら悪天。気圧の谷が近づくと空気は湿気を含んで音の伝わりがよくなる。

朝焼け・夕焼け

焼け方が赤から黒味がかった異常な焼け方をする時は、天気が悪化する前兆。発達した低気圧の接近時に水蒸気が多くなり起きる現象。

上高地の観天望気

1、焼岳の煙が上高地のほうへ流れると天気が崩れる
2、西から六百山へ向かって雲が流れると天気が悪くなる
3、焼岳の中腹まで雲が下がると雨になる
4、秋の朝の気温がなま暖かいと雨になる
5、キジバトが激しく鳴くと雨になる (←本当か不明)

天気のことわざ

1、燕が低く飛ぶと雨(湿気のために虫が高く飛べないため捕食する燕も低く飛ぶとの説)
2、雷三日(寒気が三日くらい停滞するため)
3、子供が騒ぐと雨(低気圧が近づくと神経に障る?)
4、猫が顔を洗うと雨(顔をなでる手が耳を越えると雨になるという話もあり)
ことわざは、どこまでが信用できるか怪しいものもあります。

<記者の感想>
観天望気は経験と観察力がないと難しそうです。子供の頃に母から雲の流れ方で天気がどうなるか教えてもらったことを思い出しました。意外と知らずに身についている事もあるかもしれません。たまに肌で感じることもありますよね。「上高地の観天望気」のような地方ならではの観天望気も調べてみると面白いかもしれません。
          【記者:アルプスちえみ 2月5日実施】

やまたみ登山学校 第10回机上講習「スノーシューで雪山を歩こう・天気図」

2008年1月16日 投稿者: 常念あきら [ コメントはこちらから: »

スノーシューで雪山を歩こう

スノーシューを手にとってみる前回の冬山装備の講習に続いて、今回は、スノーシューについて詳しく教えて頂きました。

登山とスノーシュー

アラスカの平原を歩く歩行道具から開発されたスノーシューは、以前は、平地向きで、山を登ったりトラバースする(斜面を横に行く)のには不向きでした。しかし、最近は登山用に改良されてエッジ付きのものが開発され、今や、雪山登山に欠かせない道具になっています。

スノーシューの特徴・ワカンとの違い

登山用のスノーシューが開発される前は、登山にはワカン(和かんじき)が使われていました。
スノーシューの特徴として、
・ワカンより雪と接する面積が大きく、深い雪でも潜りにくい
・かかとが上がるので、足全体を上げて歩行するワカンより自然な歩行ができる。
ということがあります。

スノーシューの歩き方

坂を上るワカンと対称的に、上下運動せず、滑らせて引きずる感じ。摺り足の要領でかかとを上げて足を前に出すと、先端が自然に雪の上に出て快適に歩けます。
装着する時は、必ず、足の外側で留め金を留めてください。

登山用のスノーシューの選び方

・山歩き用なので、大き過ぎないもの(男性65cm・女性55cmぐらい)
・軽くてしかも素材強度が十分なもの
・着脱しやすいもの
価格的には1万円台〜4万円台まであるそうです。
ヒールが立ってます(登山用のスノーシューは上り坂のときにヒールを立ち上げてかかとを乗せることにより歩きやすくなります。平原用のスノーシューとはここが大きな違いです。)

<記者の感想>
スノーシューと言えばハイキング用というイメージでしたが、今は冬山登山の必須アイテムということがわかりました。講師の高橋さんも「以前は使う気がしなかったが、使い始めて良さがわかった。」とおっしゃってました。蝶ヶ岳の山頂までスノーシューで行かれたそうです。さっそくスノーシューを履いて出かけたくなりました。

天気図について

前回の天気の基礎知識に続いて、天気図と、高気圧・低気圧について教えて頂きました。

天気図の必要性

地図に山の情報が詰まっているように、天気図には登山で最も重要な天気を予測する情報が詰まっています。
NHKラジオ第二放送で1日3回放送される「気象通報」を聞きながら登山家が自分で天気図を書くことは、山小屋でTVや携帯で天気予報が見られるようになった今は減りました。が、今でもそうやって天気図を書くと、天気の勉強になります。

高気圧・低気圧・前線

天気の予想は、高気圧・低気圧・前線で行ないます。

二つ玉低気圧:二つの低気圧が並んでいる場合で、発達して一つの強力な低気圧になることが多く、過去に、しばしば、大きな遭難の原因になりました。
移動性高気圧:これに覆われると2・3日天気が良い。
停滞前線 :長期間荒天になる。
台風一過:台風の後は、高気圧から大量に空気が吹き出し、寒気が入って荒天になり、遭難の原因になることがある。
南岸上の低気圧:八ヶ岳付近でなだれの原因になる。
:午前中天気が良くても、午後、寒気が入って起きることがある。予測は難しい。

<記者の感想>
講師の高橋さんが「山に行った時の天気を下山してから確認すると勉強になる」と言っていました。行く前には気合を入れて天気予報を見ますが、帰ってきてからそのようなことをしたことがありませんでした。天気は常に気にかけたいものです。

          【記者:常念あきら・アルプスちえみ 1月8日実施】

やまたみ登山学校 第9回机上講習「山の天気・冬山装備」

2007年12月13日 投稿者: 常念あきら [ コメントはこちらから: »

山の天気(基礎知識)

天気はどのような時に悪くなるのか?

山に登る時に一番気になるし、また、大事なことといえば「お天気」ですね。
今ほど親切な天気予報がなかった頃は、登山家は自分で天気図を書いたそうです。
今回はまず、天気の基礎知識を教えて頂きました。

天気が悪くなる理由は、空気中に含まれる水蒸気の量に限界があり、それは気温が低くなると減るため。
水蒸気の量が限界を越えると、小さな水滴となって雲や霧になり、それが大きく成長すると雨や雪になる。

高い山の天気はなぜ悪くなりやすいか?

yamtenki.jpgいろいろな理由で、山の低い所から高い所に登る「上昇気流」ができると、その空気が高い所で冷やされ、水蒸気の量が限界を越えます。尾根で風が下から吹き上げる時は、天気が悪くなりやすい。
また、頂上付近の傘雲は、空気中の水蒸気量が多いためで、半日以内に天気が崩れます

<記者の感想>ただ悪天候を恨むのではなく、「天気に関心を持つことは、山の大自然と向き合うこと。そう思えば、天気の変化も楽しめる」との話に、なるほど!と思いました。【記者:常念あきら】

冬山装備

冬山とスノーシュー登山の装備(森林限界以下の雪山登山)

<服装>
〔行動中〕
(1)汗をかく人は1番下は薄いもの 
(2)薄手のフリース
少し寒い時 
(3)薄いウールのシャツ       
さらに寒い時
(4)雨具
〔休んだ時〕
厚めのフリース

 長袖シャツ(保湿性の高いもの) ズボン(保湿性の高いもの)
 肌着(夏に比べて厚手のもので保湿性・速乾性の高いもの)
 靴下(厚手で保湿性の高いもの)
 目出帽・帽子 (あごや耳も隠れるものが、好ましい)
 手袋・・a フリース+オーバーミント b厚手の手袋 c 分厚い手袋
     場合により、3枚装着。長時間登山の場合は、予備を入れて6枚持参
 防寒着(雨具兼用でよい・・内側にセーター・フリースを着用)

12月机上212月机上3
<行動用具>
スノーシュー(歩行目的に適したもの *写真左参照)
登山靴(防水・保温がしっかりしたもの)
ロングスパッツ(靴に雪が入らないものなので、必須)
ザック
ストック(スキーストックで可・リングの大きいもの)
アイゼン(傾斜のきつい凍った場所で必要 用途に応じて爪の数も変える *写真右参照)
ゴーグル・サングラス(UVケアの効いたものを使用する ゴーグルは、曇らないものを選ぶ)
テルモス(魔法瓶)  ヘッドライト(予備電池) ホットカイロ 
地図・コンパス ツエルト
ガス・コンロ(共同) 救急薬品 携帯電話・無線機

12月机上712月机上5

<ポイント>
*薄着で重ね着
*予備の手袋は、汗をかく前に取り替える。
  予備の手袋はお腹にいれるのがいい。
*水筒は、すぐに冷えるので保温力の高いものを使い、
尚且つダウンなどにくるんで、温度をキープする。
暖かいお湯は、身体の内側から温めるから大切です。
*ズボンは、水をはじく素材+タイツ+オーバーズボン
(破れにくいもの・アイゼンなど使う時に横に穴があかないように)

<記者の感想>
びすたれ山は、身体を作ることも大切ですが、装備・服装を整えることも大切な要因です。
特に雪山は、場合によっては命と関わることもあるので、正しい服装・装備をぬかりなく揃えることが大切です。
今回の机上講習に参加しての感想は、思ったよりも山は薄着で重ね着が基本ということです。また、わざわざ冬用に揃えなくても、靴や靴下などは、夏と兼用で十分だと講師の方は言っていました。
しかし個人差もあるので、しもやけになりやすい私は、足元、特に指先はすぐに凍えるのでやはり、十二分な厚手のものや時に足用のカイロも役に立つのかと思います。

講師の方々 高橋さん、飯島さん、小口さん、太田さん
                     【記者:ビスタレけいこ】

               【12月7日実施】

やまたみ登山学校 第8回机上講習「山行記録・露営の楽しみ」

2007年11月13日 投稿者: アルプスちえみ [ コメントはこちらから: »

山行記録を残そう

記録を残すことは山を三回楽しむことになります。1回目は計画、2回目は実行、そして3回目がまとめ(記録)です。
記録を残す手段はいろいろあります。紀行文・報告書・研究書・詩歌・会報・写真・絵・版画など。最近ではブログもあります。講師の高橋さんも「やましかの山便り」というブログを書いています。

山に行く時に手帳を持って行き、時間・天候・展望・登山道の状況・植生・興味を持ったことなどを書き留めておきましょう。帰宅後別のノートなどに書き写して整理をしながらルートや感想を付け加えながら作業を進めると、山の余韻を楽しめます。再び登る時の参考資料になるだけではなく、思い出話にも活躍します。

『自分がどのように山を歩いたか、何を見て、何を聞いて、どんな思いで登ったのかを書き残すことで、その山行を本当に自分のものにすることができます。一山一山を大切にして記録を丁寧に残しておきましょう。』テキストから引用。

露営の楽しみ

露営の魅力

テント組み立て中1、大地に抱かれて寝る感覚は格別
2、鳥たちの声、遠くの沢の音など感じられるものが多い
3、外で過ごす時間も多くなるため景色を眺めながら語り合える
4、雨・風・寒さなどの自然の悪条件も受ける

露営に必要なもの

テント・寝袋・マット・炊事用具・ランタン
どちらも寝袋です
寝袋は同じダウンでも良いものは軽量でコンパクト、その上温かいが値段が高い。
これから買うならチタン製
食器類はチタン製が軽くて丈夫。フライパンに関しては薄いと焦げやすいので厚めの物を選ぶと良い。
ガスは寒冷地用のものがあります。通常のものよりも気化しやすく火が付きやすい。

テントの設営注意点

1、場所の選択 流水・風・落石・崖等の危険ではない場所
2、下地の整理
3、ペグ・ポールの取り扱い
4、フライシートを張る
5、テント内の整理
6、テント生活の役割分担
7、火気の取り扱い

露営のパターン

1、計画的露営(キャンプ)
2、簡易露営 行動の機敏性・装備の軽減のため意図的にテントや寝袋を使用しない
3、不時露営(ビバーク) 非常事態のためにテントを使用しないで露営すること
コンロの温かな光
ビバークは疲れ切る前に決断することが重要。非常事態に備えツェルト・コンロは携行しましょう。ローソクやコンロをツェルト内で使用すると暖房効果があります。炎の明かりは心も安らぎます。ビバークも楽しく過ごすことが重要です。

多人数で露営する時には、荷物を分担して運ぶと楽です。食料は結構重いのですが食事作りも楽しいので我慢できてしまうようです。講師の方々の山の食事は、ホットケーキ・さしみ・うなぎの蒲焼など。料理好きな人をメンバーに入れるのもポイントのようです。

<記者の感想>
山行の記事を書くときにいつも困っていたことが何なのかはっきりしました。実行(登山)はしていても、計画とまとめ(記録)を怠っていたせいでした。三度楽しむことによって登山を自分のものにしたいものです。
山に行ってテントに泊まることなど考えたこともなかったのですが、講師の高橋さん、飯島さん、小口さんがとても楽しそうに指導しているのを見ているうちに、テント泊もなかなか面白そうでやってみたくなりました。山で何を食べるか考えるだけでも楽しくなってきます。

【11月2日実施  記者:アルプスちえみ】

やまたみ登山学校 第7回机上講習「山の写真を楽しもう」

2007年10月6日 投稿者: アルプスちえみ [ コメントはこちらから: »

高橋さん説明中素晴らしい眺めを目の当たりにした時、この美しさを写真に収めようと撮影したはずなのに、実際に出来上がった写真を見てがっかりしてしまうことはありませんか?感動を残すにはポイントがあるのです。

(1)シャッターチャンスを逃さない

『いいな〜と思った時がシャッターチャンス』
まずは面倒くさがらずカメラを取り出しましょう。感動したものを意識して確認し、的を絞って大きく撮りましょう。
見えるもの全てに感動すると思いますが、その中でも何に一番感動したのかを確認し、そこに的を絞って撮影します。あれもこれも入っている写真は結果的には雑多になってしまい、感動が薄れてしまうことがあります。

(2)撮影の時間を選ぶ

『朝、夕が勝負』
食事の時間を遅らせても、朝焼けの変化、夕焼けの一瞬を撮影しましょう。
朝焼け、夕焼けは刻々と色が変化して素敵ですね。空の色だけではなく、映し出される山や木の色も変わっていきます。

(3)光を利用する

『射光、逆光、半逆光を生かす』
朝夕の射光は山肌の陰影が強くなり、立体感のある写真になります。
逆光、半逆光は使い方によっては、意外なことに表現したいものが強調されます。(経験が必要とされるかもしれません。)

(4)雲、霧などを利用する

『柔らかい光を使う』
雲や霧は、乳白色の散乱光の効果が得られます。葉っぱを通した光も風情のある写真になります。

(5)トリミングする

『余分なものはカットする』
被写体に近づけず余分なものも一緒に入ってしまったらトリミングしましょう。

(6)テーマを持つ

『イメージを意識する』
テーマを持つことにより、イメージを膨らませ物語を感じさせる写真になります。

(7)花の撮影にはマクロレンズなどを使う

飯島さん説明中『花の中を覗いてみよう』
マクロレンズや接写レンズを使って花を撮影すると、見過ごしていた花の不思議な姿を見ることができます。デジカメのマクロを利用するとピントが合いにくいのですが、同じものを何枚か撮ると成功します。最低3枚は撮ることをお薦めします。

(8)他人に見せる

『自信作を講評してもらう』
次回の作品に生かせるように友人知人の意見を聞きましょう。コンテストに出して腕試しをするのもいいでしょう。

(番外)同行者は選ぶ

意外に重要なことです。山が好きな人の好みはいろいろ。写真撮影は時間がかかります。同じものに興味を持つ人と一緒に行くと良いでしょう。風景写真がメインなのか、花がメインなのか。先を急ぎたい人とは一緒に行かないように注意しましょう。
余談ですが、講師の高橋さんと飯島さんが一緒に山に行った時、普通は二日で行ける所が四日かかったそうです。飯島さんが花の撮影に夢中になっていた為だそうです。「つきあうのは大変です」と高橋さん。飯島さんは逃げ場を探すようにうつ伏せになっていました。一同大笑い。
スライド上映
スライドで高橋さんの撮影した写真を見ました。

<くじけず挑戦することが大事>
記者は山岳写真の撮影が苦手です。見た景色や花がつまらなく写ってしまうことが多く「全然ちが〜う!」と嘆いていました。花の写真は出来上がりにショックを受け続け、今では撮影しないよう心がけるほどです。
しかし、まれにいい写真が出ることを期待しながら挑戦することが、上達への方法だと講義を受けて思いました。
記者の経験から言うと、霧や雨の時に撮影したものは、思った以上にいい写真になります。天気がイマイチだと思わず、シャッターを切ってみてください。幻想的な風景が現れます。
【10月2日実施】

やまたみ登山学校 第6回机上講習「計画の立て方」

2007年9月16日 投稿者: アルプスちえみ [ コメントはこちらから: »

登山計画をたてて山に登っていますか?行き当たりばったりで登ってしまう方も多いと思います。登山計画は事故などを防ぐだけではなく、見所を見逃さないためにも重要です。楽しい登山は、楽しい計画から始まります。

登山計画書を作ろう

講義2自分で行程などを確認するだけではなく、周囲の人(家族・職場の人・警察署など)に知ってもらうことも重要です。
  登山計画書記入例
警察署への届出は、今ではインターネットでもできます。
  長野県警察山岳情報

計画や準備

(1)登山をシミュレーションする

講義1シミュレーションをするためには、まず情報を集めましょう。ガイドブックのほかに行ったことのある人に話を聞くのも大変参考になります。
地図を用意してコースタイムを確認したり、危険箇所を書き込んでおくとペース配分も考えられます。

(2)持ち物を確認する

安全第一です。「一に雨具、二にヘッドライト、三に地図とコンパス」
余分なものは持たないように軽量化しましょう。荷物の重さは歩く速度や体力の消耗にも影響します。
  無雪期装備表

(3)天候を予測する

安全な登山には天候の予測と確認が欠かせません。予測は慣れていないと難しいですが、テレビや新聞、インターネットでも調べられます。登り始めてからは、ラジオなどのほかに山小屋でも情報収集をしましょう。
  気象庁のサイト
  日本気象協会のサイト

(4)体力をつけておく

考えているだけでは始まりません。体も動かして体力をつけておきましょう。週に一度山に登っていれば安心ですが、なかなかそうもいきませんね。まめに歩いたり、階段の昇り降りなど、普段からトレーニングをしておきましょう。第5回机上講習「歩き方について」のトレーニングと筋トレも参考にしてください。

(5)山岳保険に入っておきましょう

山岳保険を知らない方もいるのではないでしょうか?山のトラブルは想像をはるかに超えるような金額を請求されることもあります。場合によっては、家族に負担がかかってしまうことにも。万が一のために保険に入っておきましょう。
株式会社保険ビジネスの「ハイカー登山専用の保険のご案内

<こんな質問がありました>
質問:登山計画書はどの程度の山から出すのでしょうか?
答え:標高の高い山を意識しがちですが、里山のほうが道に迷いやすく危険です。いくつかの市町村にまたがり、警察署の管轄も違う場合には、手間ですがそれぞれの警察署に提出するとよいでしょう。同じものを家や職場などに預けておくことも忘れずに。

<反省しました>
記者は今までほとんど自分で計画することなく、いきなり山に登っていることが多かったのですが、前もって登山や備えをしておくことが重要なことを学習し、反省しました。山岳保険のことは全く考えていませんでしたが、自分だけではなく周囲の人のためにも必要だと感じました。
講義をしてくださった高橋正幸さんは「計画をしている時から楽しい」と言っていました。楽しさを長く味わえるだけではなく、記録にもなるのでしかっり登山計画をたてて登るようにしたいと思います。
【9月7日実施】

やまたみ登山学校 第5回机上講習「歩き方について」

2007年8月5日 投稿者: アルプスちえみ [ コメントはこちらから: »

頂上目指して一生懸命歩いて帰りにはクタクタ、そして翌日又は翌々日に筋肉痛に悲鳴をあげる方もいるのではないでしょうか?登山中はもちろんのこと、登山後にも疲れないようにできたらいいですよね。今回の講座も大変ためになりました。

歩き方について

登山の基本は目的の山へ一歩一歩確実に歩くこと。荷物を背負ったり、足元も様々な状況に変化する登山では歩くのにも気を遣います。どのようなことに注意すると良いのか確認しましょう。
歩き方講義段を歩いてみよう

(1)ゆっくり歩く

平地で歩くときの半分以下のスピードで歩きましょう。
〔基本動作〕 1、歩幅は小さく 2、足の裏全体で着地 3、一定のリズム 4、静かにゆっくりと体重移動 5、上体がぶれない
標準タイムに惑わされず、自分の一定のペースで歩けばバテずにすみます。足の幅は肩幅位の2本線を意識して歩き下半身を安定させます。1本線のモデル歩きとは大違いです。

(2)マイペースのキープ

心拍数を把握しながらマイペースをキープする。心拍数は180から自分の年齢を引いた数以下にするといいです。

(3)下り坂の疲労に注意

下りは一見楽なように思いますが、下りの疲労は事故になりやすいので注意しましょう。下り坂でがんばり過ぎると筋肉疲労が起きてしまうこともあります。膝の屈伸を使って静かにゆっくり一歩一歩確実に下りましょう。
下り坂では真下を見るよりは少し先を見る感じで下ります。

(4)水分の補給

歩き方だけではなく、体調の管理も重要です。特に水分はこまめに摂るようにしましょう。1リットルの汗で3グラムの塩分が流れ出てしまいます。塩分の摂取も忘れずに。塩分補給の目安:梅干2個で3グラムの塩分

(5)エネルギーの補給

空腹で力が入らなくなる前に炭水化物や糖類の含まれた食料を摂取しましょう。緊急に飴をなめるのは効率的です。休むたびに少量食べ物を摂取するのも良いです。

(6)ペース配分を考えておく

力の配分は登りに3分の1、下りに3分の1、残りの3分の1は「余力があって良かったね」という具合です。自分のペースをつかめないでいる人は、登り始めの1〜2時間はウォーミングアップのつもりで、徐々にペースを上げていくと良いです。自分のペースがつかめたら、準備段階で地図を見ながらシュミレーションをしてペース配分を考えましょう。
参考に、ガイドブックの標準タイムは、平地1km歩く時間と標高差300mを登る時間の合計を1時間にしているものが多いです。

(7)休憩のとり方

休憩は40〜50分歩いて10分の休憩が一般的ですが、状況に応じて決めましょう。長い休憩はウォーミングアップのやり直しになってしまうので気をつけましょう。
休息は荷物を降ろして、深呼吸をしたり、ゆっくりと体を動かしていると疲労が早く取れます。
休憩するときには山側によって下さい。谷側は危険です。

(8)メンバー編成

グループで登山をする場合は、先頭の人は2〜3番手に並んでいる弱い人に合わせて進みましょう。最後尾の人はペースの配分やメンバーの体調を観察しながらトップに適切な指示を出す役目です。

(9)安全対策

常に五感を働かせて危険を予知するように心がける。浮石や障害物など後続に知らせましょう。気温の変化にも注意を。突然雨が降ってくることもあります。
歩きながらの行動は危険です。歩きながら花の名前を書き留めたり、ストックの長さを変えるなどは大変危険です。
やたら転ぶときには疲れているかもしれません。十分な休息を心掛けてください。

(10)トレーニング

 
疲れない登山をするのにはトレーニングが重要です。いろんなトレーニング方法がありますが、階段の昇降はとても有効です。荷物を背負い長時間行うと大変良いです。

(補足)筋トレ

普段から筋肉を鍛えておきましょう。スクワットなど筋肉を意識して行います。筋トレ後はストレッチをして硬くなった筋肉を緩めましょう。足を上げて足首を動かすのもいいですよ。
みんなでスクワットお次はストレッチ

<意外に難しい山の歩き方>
いつも足元や景色に気を取られ、歩き方自体に注意を払っていなかったのですが、講習後これからは注意深く歩こうと思いました。
高橋先生が登山家の田部井淳子さんの言葉を紹介してくれました。
「がんばり過ぎない。競争しない。あきらめない。」

【8月3日実施】

やまたみ登山学校 第4回机上講習会

2007年7月13日 投稿者: ビスタレけいこ [ コメントはこちらから: »

『安全確保と救急法』

 
安全確保について

<安全確保のためのパーティー装備>
登山用具は、安全確保のためにあります。パーティーで持っていく道具の中にはザイル・ツェルト・コンロなどがあります。
 ザイルなどはベテランが使うものだから初心者は必要ないと思いがちですが、
ちょっと見方を変えてみてください。初心者はベテランのように危険を見抜いたり、危険箇所をスムーズに登る技術や経験がありません。
それをカバーするために用具の助けが必要となります。ザイルなどは、もともとは難しい登山をやるためにあったのではなく、初めは落ちないために、次に落ちたときの用心のために、そして三番目に登るためにあるのです。

緊急時対策用具 
・補助ロープ・カラビナ懸垂下降器 ツェルト
・捨て縄・コンロ・ガス・ローソク(暖をとるため)・無線機(携帯電話)
・スリング(ナイロンやスペクトラの(18mm or 20mm)フラットテープを縫い合わせたものが多い ランナーとも呼ばれる ループ状になっているものは様々な使い方ができて便利)
・ホイッスル・へットランプ・レスキューシート・非常食

参考にさせてもらったサイト 『山どんの資料室』 山の用語集

                 ありがとうございました。

簡易テント写真:ツェルトを広げて、使い方の指導をしています。 
ツェルト (ビパーク) 道を間違えて途中で暗くなり下山できず山中で一晩過ごすとき(ビパーク)、けが人が出て救助を待つときなどにツェルト一枚で風や夜露を防ぐことができ、体力、気力の温存を図ることができます。
 ビパークは一番弱い人を基準に体力の消耗を避けて早い段階に決断する。そして風を避け落石・増水の危険の無い平らな場所を選びツェルトを張る。体制が整ったら温かい飲み物を作ってゆったりした気持ちで過ごす。ローソク一本あるだけでツェルト内が温まり気分的に心強い。ビパークは皆が安心して過ごせる雰囲気作りが大切です。  

救急セット
 絆創膏・消毒液・傷用軟膏・目薬・痛み止め・胃腸薬・滅菌ガーゼ・包帯
・三角巾・ラスティク手袋・テーピング・万能ナイフ・応急措置マニュアル

緊急用装備の使い方
1.ザイル(フィックスロープ)
 ザイルは、やせ尾根・崩壊地・ガレ場・急斜面・岩場やクサリ場・沢の渡渉・雪渓の通過等の危険箇所で転倒した場合は大きな事故になりかねません。また、メンバーが不調になった、天候不順で通過が著しく困難になったときなどにロープを張って(フィックスロープ)安全を確保して通過するための補助用具です。

アルミロープw

左)レスキューシートを被り、温度を体感してみます。
薄くて軽いものですが、グット体温が上がるのが体感できました。
右)ロープワークの練習
八の字結びから始まり、ウエストロープ(安全ベルト)の結び方&カラビナの装着方法、シュリンゲ(お助け紐)の作り方、ブルージック結び、フィックスロープの張り方などの講習を受けました。

  7月12日(木) 18時30分〜20時半 松本市民サポートセンター

受講者の感想

 安全装備など、上級者や雪山など困難な山登りをする人だけが持っていればいいと思っていました。しかし、整備されていない里山こそ、また初心者こそが必要だということを学びました。
とは言え、荷物が増えるのは体力不足の私には厳しいなあと密かに思ってしまいました。

             【受講者・記事 ビスタレけいこ】

*第3回机上講習会は、上高地〜徳本峠登山の際に上高地で行われましたので
 市民記者は、欠席させて頂きました。

やまたみ登山学校 第2回机上講習

2007年6月1日 投稿者: アルプスちえみ [ コメントはこちらから: »

『里山に親しむ(地図とコンパスの使い方)』

ガイドブックを参考に山に登ることはあっても、地図とコンパスを持って山に登ったことがある人は少ないのではないでしょうか?思い込みや方向音痴で道に迷ってしまったときに、地図とコンパスがあれば間違いを修正することができます。

今回の講座は地図上にコンパスを使って線を引き、進むべき方向の確認と、今時分がどこにいるのかを確認する方法を学びました。

「道に迷わないように地図とコンパスを使って自分の居場所を確認しながら歩くことが重要なんです。その為には、普段から地図に親しんでおくことが大事なんですよ。地図を見るといろんなことがわかってきますよ。」と高橋先生。

机の上にはいろんな地図が置かれ、地図の見方を教えていただきました。
地図とコンパスの使い方登山で使うコンパス
等高線は2万5千分の1の地図だと10m毎に引かれ、太線は50m毎。等高線の間隔が狭いと急な斜面、間隔が広いとなだらかということ。

地図は球体の地形を平面に描くため、地図の南北と磁石の指す南北には少しズレがある。日本では大体西へ7度ズレているとの事。地域によって異なるが、正確な値は地図の右欄に「西偏6°30′」などと書かれている。これを磁北という。地図には磁北線を引いておこう。

【目的地への方角を定める方法】
(1)地図上で目的地と現在位置をコンパスの長辺に合わせる。
(2)コンパスのリングを回して矢印を磁北線と平行にする。
(3)コンパスを体の前に持ちリングと針が重なったときの進行線が進む方向。

【現在位置を確認する方法】
(1)目標物(例えば山:何山かわかっていることが前提)にコンパスの向きを合わせ、次にリングの矢印と磁北を合わせる。
(2)地図上で目標物にコンパスの端を合わせて、それを支点に矢印が磁北線に平行になるようにコンパスを回して、合ったら長辺に沿って線を引く。
(3)目標物を変えて、(1)(2)を行い、線が交差したところが現在位置。

協力して学習中その1協力して学習中その2

説明を読んだだけではわからないですよね。これは実際にやってみて、繰り返す事で身につくようです。良く知っている山でも地図とコンパスを持って行けば、周囲の様子もわかってさらに楽しくなるかもしれませんね。

(5月11日実施)

やまたみ登山学校 第1回机上講習

2007年6月1日 投稿者: アルプスちえみ [ コメントはこちらから: »

『持ち物と服装について』と『里山の楽しみ方』

4月13日『やまたみ登山学校』が開校しました。

山歩きを始めたい初心者を対象に毎月各1回机上講習登山講習を行う一年間の登山学校です。参加者は20代から60代の20人です。

初回の4月13日は「持ち物と服装について」と「里山の楽しみ方」についての机上講習でした。

持ち物と服装について」は4月1日に穂高に登山用品店をオープンしたばかりの太田毅彦さんに講習していただきました。
太田毅彦さん
講習の中でこれは重要!と思ったことをいくつかお教えします。

(1)登山靴

 足首までの高さの靴がお薦め。登山時に使用する厚手の靴下を履いて試着するのがポイント。横幅がきつい場合は、大きいサイズのものを選ぶのではなく幅広の靴を選んで下さいね。ぴったりするものが見つかるまで妥協しない!何年も前に買ってしまいっぱなしの登山靴は靴底が劣化してしまっていることがありますよ。登山中に靴底がはがれてしまうことがあるので注意してくださいね。
靴の選び方

(2)雨具

 セパレートタイプ(上着とズボン)のもので、透湿性・防水性に優れたゴアテックスがお薦め。靴を履いたままで着られるものがいいです。雨具は命にも関わる重要なもの、適切なものを選びましょうね。

(3)ザック

 シンプルで軽いものがお薦め。一泊するなら30〜35リットルのものがいいでしょう。目いっぱい入れる必要はないので、大き目のものを選んでも良し。体形に合っているかお店の人に診てもらってくださいね。ザックカバーはリットルだけで判断せずリュックに合うことを確かめてから買うといいですよ。

上記の(1)〜(3)はお店の人と相談して下さいね。

里山の楽しみ方」についてはやまたみ登山学校主任講師の高橋正幸さんに講習していただきました。
里山の楽しみ方
「これはなんでしょう?」とクイズ形式で次々に山の植物や昆虫などの写真を見せてくれました。「これはカラマツの花ですよ。」えっ?カラマツって花が咲くの?皆さん知ってましたか?頂上ばかりを目指すのではなく、山に生きるものを観察することも山の楽しさなんですね。

参加者の皆さんは熱心に質問していましたよ。この登山学校ではいろんなことを知ったり気付かされそうです。これからの講習も楽しみ!今後も机上講習・登山講習の様子を報告しますね。お楽しみに。

主催:NPO法人 信州まつもと山岳ガイド協会 やまたみ
   http://yamatami.com
太田毅彦さんの登山用品店 「マウンテンショップ バックカントリー ほたか」
   http://www.backcountry.co.jp/info/info_index.html