春、桜に彩られる「弘法山古墳」

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*弘法山古墳(こうぼうやまこふん)

松本市の市街地より南東部の弘法山(標高650M)の山頂に位置する弘法山古墳。

4月のとある晴れた午後、麓から山頂の古墳に向かう北東側斜面より登ってみた。弘法山山頂に向かうルートは、ゆるやかな斜面が続く南東側ルート、やや急斜面の北東側ルートの二つがある。


その北東側のルートの上り口付近には、母龍に跨る〝泉小太郎〟の像が設置されている。その昔、湖であった松本・安曇の地。今の中山和泉で白龍王(大日如来の化身である父)と犀竜(諏訪大明神神武御名方の神の化身である母)の子として生まれた小太郎は長ずるに従い、人々が豊かに暮らせるためにこの湖を干拓して陸地にしてはどうかと考えるようになる。そこで、母(犀竜)の背に跨り、山清路の巨岩を突き破り、水を長野から越後の海へ流し、現在の広々とした盆地をつくったといわれている。


急な斜面につけられた道を登ると、10分弱で山頂にたどり着く。松本・安曇野の平をほぼ一望できる小高い丘という感じである。目線をたどっていくと遠くには、残雪の残る北アルプス、その前方に箱庭のようにさまざまな建物が並べられた町並みが見える。
弘法山には、山すそから山頂付近までソメイヨシノ、ヤエザクラなどが約2000本植えられており、その淡い桜色が景観に彩を添える。



山頂には、古墳としては珍しい形態とされる 「前方後方墳(ぜんぽうこうほうふん)」がある。
ただし書きによると、3世紀~4世紀頃のものらしい。


全長66メートルの前方後方墳(前も後ろも方形という意味)。この規模の古墳では、東日本で最も古いものとも言われ国指定文化財に指定されている。有名な仁徳天皇稜は前方後円(前が方形で後ろが円形の鍵穴のような形)と比較すると規模の違いこそあるが、なにか興味深い。

埋葬施設は深さ1メートル、長さ5.5メートル、幅1.5メートルの竪穴式(礫槨)で、松本市内を流れる河川(田川、梓川、奈良井川、薄川など)の川原石が使用されているとのこと。
埋葬者が誰かは定かではないらしいが、およそ1600年近くも前のこと。これほどの稜を築くだけの力のあった人物・一族であることは確かだろう。
自らの治める平を一望できるこの場所は、その人物にとっても自分の墓稜を築くのに最も相応しい場所に思えたに違いない。

どのような経緯でこの古墳が造られたものなのか、山頂より麓を眺めながら想像するのもまた、楽しい。
古墳内部からは数々の資料も出土されている。

四獣鏡、鉄剣、勾玉など、現在は弘法山にほど近い松本市中山の「松本市立考古博物館」に展示されている。

弘法山全体を覆うように植えられた桜は、碑文によると昭和50年代の後半になって植えられたものらしい。古墳の歴史と比べるとついさっきのことみたいだが、毎年4月も半ばを過ぎる頃には、小高い丘全体が桜の香りと色につつまれてなんともいえず見事な景観となり、多くの観光客や市民が訪れる。

松本に訪れたらぜひ、一度は訪ねてみたい史跡と桜の名所である。

『弘法山古墳』
所在地:松本市並柳2丁目1000番地ほか
アクセス:JR南松本駅から徒歩約15分。
松本バスターミナルから並柳団地線で15分。
松本インターチェンジ、塩尻北インターチェンジから車で20分。

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*周辺のお立ち寄り処

食事処あさの

  松本市並柳2-7-12 TEL0263-27-6565
  営業時間:11:00~14:00  17:00~20:00
  定休日 :毎週火曜日、月末最終週 月・火曜日

弘法山の麓に位置する〝食事処あさの〟。数々のこだわりをもった〝支那そば(600円)〟は絶品。二代目店長の技でさらに味に磨きがかかってます。女性限定メニューの〝梅炒飯〟も春の香りがいっぱいで大人気メニューの一つ。食事時はいつもお客さんで賑わってます。「日々、こだわりを持った新メニューを考案中、何度来ても美味しい発見があります。」と、二代目浅野浩店長。

とんかつ桜守

  松本市並柳2-18-12 TEL0263-27-0639
  営業時間:11:30~14:00  18:00~21:00
  定休日 :毎週火曜日

こちらは、弘法山中腹にある人気店の〝とんかつ桜守(さくらもり)〟。ねぎと特性たれを絡めたソースが美味しい仲田店長イチオシの〝ねぎ塩かつ(1,470円)〟をはじめジューシーなとんかつが味わえます。
営業時間内に仕込んでおいた食材が売り切れてしまうこともしばしば。来店は早めの時間がおすすめです。

【市民記者】土肥

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