松本の雛祭り:松本押絵雛を守り伝える(ベラミ人形店)

彫金工芸家のご主人と人形づくり名人の奥さんが「二人で何とかなる、守り伝えよう」と決意し、今も守り伝わる『松本押絵雛』。
お雛さまって言うと「ブランドで決める?値段で決める?・・」なんて思っていたけど、松本には『押絵雛』という素敵なお雛さまがあります。『押絵雛』を作っているお店は市内で1軒しかないそうです。その「ベラミ人形店」へ伺いました。


【ベラミ人形店の三村さんご夫妻】

お店の中はまるで博物館のようでした。年代を重ねた『押絵雛』や七夕人形などが誇らしげに飾られています。工房では息子さんご夫婦も一緒にひとつひとつ丁寧に、手作りで『押絵雛』を作っておられました。ファン層は世界に広がりオーダーもあるそうです。返って地元住民の方が知らない人が多いのでは。実は私も初めてでした(恥ずかしい)。皆さんも一度寄ってください、手作りのぬくもりが伝わってきます。


【にぎやかにお話しているようですね】

松本押絵雛ってなんでしょう?

<歴史・始まり-衰退-復活>

江戸中期から北深志の武家の奥さん方が作り南深志の商家が売り歩いたそうです。明治20年前後がピークで明治終わりごろに途絶える。北深志で大火があってから作る人が居なくなったこと、押絵雛が一般に出回り過ぎて飽きられたこと、鉄道の発展とともに近代的なお雛様が流通したこと、明治に入り生産量を上げるため押絵雛が粗製乱造になってきたことなどが、衰退の理由らしい。
明治に入り生産量を上げるため押絵雛が粗製乱造になってきたそうです。「ベラミ人形店」のご夫婦は古いものも同じ物を作っておけば100~200年持つのではないかと思われ、昭和23年に人形と手芸の教室を本町で、昭和32年からは高砂町で、その後、大橋通で創業。現在まで保存に努めておられます。「ベラミ」はフランス語で美しい友達という意味。

<特徴>
  • 動きを感じる
  • 浮世絵風の見事な顔
  • 竹串が付いている(台や藁づとに刺す)
  • お顔が正面でなく向い合せ
  • 内裏雛のほかに七福神、川中島の合戦、巴御前などを題材にしたものもある

日本人形の作り方や日本舞踊の型が基本になっているそうです。竹串で刺して飾るので場所をとらないし、最近は掛け軸にして飾るお宅もあるとか。お子様にお雛様をと考えているご家庭は『押絵雛』も候補に入れられてはどうでしょう。但し、お店にあるものは購入できますが、オーダーになるとかなりの年月がかかるそうです。


【一度入ってみたかったベラミさん!皆さんもぜひ】

<ベラミ人形店>
松本市中央 3-7-23
営業時間:平日9時~7時 日曜・祭日10時から6時
定休日:水曜
駐車場:お店の横と前に1台ずつ、計2台
タウンスニーカー:北コース「大橋通り南」下車。東・南コース「市民芸術館」下車。

【取材記者コメント:野村】
ご夫婦から「年中休みなしです。だけど作っている時が一番好き。」と聞き、「参ったァ」と思いました。
伝え続けることはそういうことが根本になるのでしょうね。その日も行先の決まっている押絵雛を制作中。仕事の邪魔をしたようで、ゴメンナサイでした。『押絵雛』と同じくらい魅力的なご夫婦の笑顔が印象的でした。