市民記者ブログ

ギター工場見学~フジゲン株式会社

アルプちゃんのバイオリンはギターに間違われることがあります。どうやらそれには訳があるようなのです。
長野県の中信地区(長野県を南北に分割した真ん中の地区)には、ギターに関わる工場がたくさんあります。1983年には松本のエレキギターの生産量は世界一だったのです。ギター好きな人には、「ギターの街」として松本が知られているので、アルプちゃんが持っている楽器をギターだと思ったのかもしれません。
そこで、アルプちゃんと一緒にギター工場を見学させていただきました。今回訪問したのは、フジゲン大町工場です。「どうして松本じゃないの?」と思う人もいるかもしれませんね。フジゲンは今ではエレキギターを松本では作っていませんが、松本の楽器製造・エレキギターの歴史を語る上でフジゲンを外すことはできないからです。
さて、フジゲンのエレキギターの魅力を見てみましょう。

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◆大町工場
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6月下旬、アルプちゃんとともに、フジゲン(株)大町工場に伺いました。周りは田園地帯となっていて、大自然に囲まれた環境です。
ウィンドウの中には、フジゲンで作られた楽器の数々が展示されていました。ギターは勿論、マンドリンやバンジョー、さらにギターシンセなるものも!
こちらの大町工場では、木材の乾燥、張り合わせ、ボディ・ネックの加工、組立てなどを行っています。元々、組立ては松本市平田にある本社工場で行っていましたが、2008年5月より大町工場に移ってきました。塗装は塩尻市広丘や北海道にある工場で行っています。
フジゲンで生産しているギターの90%はOEM(他社ブランド製品の製造)で、世界的に有名なブランドの数々も手がけていたりします。お手持ちのギターも実はフジゲン製かもしれませんね。
生産量は1日120~130本だそうです。かつては1日500本程度作っていたこともありましたが、現在は低価格帯のギターは中国や韓国で作られることが多くなっており、フジゲンでは高価格帯のギターを主に作っています。

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事前説明を聞いた後、いよいよ工場見学のスタートです。アルプちゃんもワクワクしてる様子!
 
 
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まず目に入ってきたのは、納品された材木たち。木目がとってもキレイです。
 
 
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その木材をここ大町の気候になじませるため、自然乾燥も行った後、強制乾燥炉で約1ヶ月間の強制乾燥を行い、含水率を7~8%まで下げています。ボイラーの燃料には、工程で発生した木片や切屑を活用しています。
次に工場内に入っていきます。
 
 
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最初に目に入ってきたのは、積み上げられた木材たちです。ここでは木材の張り合わせを行っています。木材を規定の寸法に切り出し、目合わせをしてから接着剤で張り合わせています。
 
 
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ここに示したのは、『タイムレスティンバー』という木材です。アメリカの五大湖に70年以上沈んでいたのを引き上げたものです。現在使われている木材の多くは、植林されて、人工的に短期で育てられたものが多いのですが、このタイムレスティンバーは自然の中でじっくり育った原生林のため、非常に目が詰まっている希少材とのことです。ずっと湖底に沈んでいたためか、ちょっと臭みがあったりします。
 
 
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この工程では、ネックを削り出しています。真っ直ぐの細長い一枚の板を、型に沿って手作業で削っていきます。これはエレキベースのネックのようですね。
 
 
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ここでは、ネックの側面に薄くて黒い板を貼り付けています。着色したバスウッド(シナノキ)で、これによって右の図のようにボディに黒い線が入ります。塗装ではなく、こんな作業を行っていたとは・・・!
 
 
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この機械はNCルーターと言って、回転する刃をコンピュータ制御によって前後左右上下に動かすことで、木材を三次元に加工することができます。今でこそ、この機械は多くのギターメーカーに導入されていますが、最初に導入したのはフジゲンなんだそうです。見る見るうちに、形になっていきます。
 
 
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ボディを一度に削り出すのではなく、ある程度削ったところで角を丸めて、それから全体を削り出すんですね。
 
 
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この工程ではネックを削っています。奥に切屑が溜まっていますが、これがボイラーに送られて燃料になるのです。
 
 
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こちらでは、加工されたボディの研磨(サンダー)工程です。回転しているベルト状のヤスリを木材に手で押し当て、磨いていきます。熟練の技が必要となる作業です。
こうして加工されたボディ、ネックを塗装工場に送り、塗装を行います。

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塗装上がりのネックが並んでいます。(左)
そして、それぞれ塗装されたボディとネックが組みつけられました。(右)
 
 
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こちらの工程では、最終的な組立てとチェックを行っています。沢山のブースに分かれていて、電気パーツや糸巻き、弦などなど、細かな部品を組み付けていきます。アンプに繋いでサウンドチェックを行っているブースもありました。
 
 
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ここで組立て、チェックされたギターたちが、梱包されて全国・世界へ旅立って行きます。ずらっと並んだギターたち。この絵は圧巻でした。何本くらいあるんでしょう・・・?
  
工場見学後、案内していただいた方にお話を伺いました。工場には沢山の機械がありましたが、どんな機械を導入しているか、より『いかに機械の性能を引き出すかが大事』という言葉が印象的でした。
また、自社ギターへの想い、こだわり、誇りなどを熱く語っていただきました。このように、一人一人が誇りを持って働いているからこそ、量産製品とはいえ、一本一本が丁寧に想いを込めて作られていて、その結果、世界中で愛される製品を提供できているんだな、と感じました。

私自身、ギターを演奏するのですが、ここで作られたギターなら間違いないな、と思い、購買意欲をそそられてしまいました。というか、後日一本購入してしまいました・・・。
製造現場を見ることに加え、想いや本質に触れることができ、とても豊かな体験でした。

フジゲン株式会社 MI事業部
 長野県大町市常盤3680-1 
 TEL 0261-23-4708
 ホームページ → こちら

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◆本社
studio.jpg松本市平田にあるフジゲン本社には、音響品質のチェックをする“スタジオJAMM”があります。一般の人でも練習スタジオとして借りることができます。
スタジオ全体が防音効果の高い設計になっていますが、演奏する部屋には床・壁・天井にオークのムク材が使われています。
そのため程よい響きが残り、気持ちよく演奏できます。
リハーサルなどに使う人が多いそうです。楽器の持ち込みはOKです。

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アルプちゃんも演奏してみました。
ノリノリでしたよ。

 スタジオJAMM
 営業時間:午後6時~午後10時
 レンタル料金:1時間につき2,000円
 場所:松本市平田東3-3-1 地図
 ご予約先:0263-58-2448  
 

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フジゲンはエレキギターで磨かれた技術を活かしてウクレレ「ププケア」、和太鼓「龍昇太鼓」、オルゴール「ハートフィールド」も作っています。本社ではウクレレ・和太鼓の講習会も行なわれています。

uklele.jpgウクレレの講習会は今年の4月から始まりました初心者向けの講習会、そして7月から始まりました初心者・経験者対象の講習会においては、20代の娘さんと50代のお母さん、70代のご夫婦など、20代から70代までの方が学んでいます。現在では40人程の方が楽しまれています。
各コースの期間は半年ですが、その後も継続して習うことができます。ウクレレを作っている職人さんも一緒に習っています。作っている人・使っている人がわかる関係はお互い意見交換の場にもなり、安心感とアフターフォローの早さにもなります。
お得情報を耳にしました。生徒さんは特別価格でウクレレが買えるそうです。

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♪ウクレレ講習会情報
 「ウクレレ講習会 in 松本 土曜日」 ※4月~開催中
 【期間】2009年4月11日~9月26日 ※10月以降も継続決定となりました
 【曜日】土曜日
 【時間】AM10:00~
 【月回数】2回、もしくは3回
 【会場】フジゲン株式会社 南工場2F多目的ホール
 【会費】月5,000円(税込)
 【備考】・ウクレレをお持ちの方は、ウクレレをご持参下さい。
 ・ウクレレをお持ちでない方には、ウクレレを貸し出し致します。
 ・ 会場内においては、入会後3ヶ月間は無料で貸し出します。
 ・ 会場外への貸し出しは可能です。1ヶ月間1000円(税込)で貸し出します。
 その他にも、「ウクレレ講習会 in 松本 月曜日」や「ウクレレ講習会 in 長野  月曜日」などが開催されています。詳細は、下記までお問い合わせください。

 フジゲン株式会社 ウクレレ講習会事務局 
 出井(いでい) 電話:0263-28-0393
 胡桃澤(くるみざわ) 電話:0263-24-3844
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drum.jpg和太鼓は2003年から講習会が始まり、6ヶ月毎の初心者コースから始まり延べ130人の方が学ばれました。フジゲン社員の同好会もあるほど、何かやみつきになるものがあるようです。太鼓の木の部分は、ギター製造の技術から得た天然木の集成材からできています。廃棄部分が少なく、環境に優しい作り方です。普通の太鼓に比べて軽いので運ぶときには体にも優しいですね。

 
music_box.jpg写真のオルゴールはタモ材で箱が作られています。写真ではなかなか美しさを表せませんが、見たときには「わ~きれい」と感嘆しました。木の扱いを知っているフジゲンの技術は見た瞬間にうならせます。
ちなみにウクレレ、和太鼓、オルゴールですが直販していますとの事です。
お問合せ先:
フジゲン株式会社 胡桃澤(くるみざわ) 電話:0263-24-3844
 
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木に対する思いは作られた製品からにじみ出てきますが、工場を見学させてもらうと、もっと感激します。それは、社員の方々が作業中にも関わらず、「こんにちは」と会釈してくれるのです。その姿に非常に感動しました。

【市民記者:小林、宮嶋】


ギター工場見学~フジゲン株式会社” への5件のコメント

  1.   アルプちゃん好きさんより

    市民記者ブログのアルプちゃんコーナーをホームにしているのは私くらいでしょうか。ちょっとキモイ?
    アルプちゃんの活躍、いつもいつもうれしいです。
    また記者の方のギターに対する情熱が伝わってきました!
    私もギター持っていましたが、フジケンさん製なのかな。
    フジケンさんの名前は知っていましたが、工場内に入れるなんてうらやましいです。
    集成材で太鼓も作れるんですね。音は普通の太鼓と同じなのでしょうか。
    アルプちゃん、これからもがんばってね!

  2.   miyajimaさんより

    アルプちゃん好き さま

    コメントありがとうございました。
    返答が遅くなりまして申し訳ありません。

    情熱が伝わったとのお言葉、嬉しい限りです。
    アルプちゃんへの情熱も、ものすごく伝わってきましたよ。
    これからもよろしくお願いします。

    工場見学については、アポを取ればOKなようですので、ご希望であれば工場に問い合わせてみてください。
    太鼓については、残念ながら叩いているところは取材できませんでした。
    しかし主観ですが、木にこだわっているフジゲンさんなので、きっとこだわりの音が出るのではないでしょうか。

    以上、よろしくお願いします。

  3.   泰世さんより

    アルプちゃん、取材をありがとう!!
    33年ほど前、母が(松本だったと記憶します)ギター工場に特別に夏休み研究で連れて行ってくれましたことを思い出します。木材の香り、ピアノとちがう構造に目をみはって。同級生の子もいっしょでした。母は、帰りにかき氷と白玉ぜんざいのお店(塩屋)に連れて行って下さいました。当時はすべてが徒歩で。学都松本、楽都松本、岳都松本。島々の安曇村渓流に浸しながら描いた夏の宿題の絵画。裸足もおしりも、石に灼かれたりしながら大きな岩を飛び越えて座って、水彩画のスケッチひろげて、ずーと集中してました。水のみどり色の市民プールにも引率してくれ、学校のプールが解放されてからは学校の水泳に。夏休みは自分の時間割しっかりで、午後午前にすべてが〈学びの時間〉で家族はよく配慮指導してくれていたと思います。感謝です。稲の穂やお野菜の様子も観察し収穫しながら。。。。
    アルプちゃんの旅日記も貴重に思います。
    がんばってね。応援します。

  4.   miyajimaさんより

    泰世さま

    コメントありがとうございます。
    読んでいて、その情景が浮かんできました。
    思い出に触れるキッカケになって嬉しいです。
    アルプちゃんも、また張り切って取材に出かけると思いますので、
    今後ともよろしくお願いします。

  5.   巻 治東さんより

    こんにちは。自分は歌が好きなのですが、その為にギターのことを知りたいと思っているしだいであります!働かせてはもらえないでしょうか?

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